はじめまして!!
今回こちらで初めて記事を書かせていただく「なつめぐ」と申します。
以前からよく見ていたこの『みんなのぽたおでお記』で記事を書けることになり嬉しいかぎりです。

これからもよろしくお願いします!では本編スタート!

今回私が紹介するのはNicehckさんのsp12です。
恐らくみなさんパッとどんなイヤホンか思い浮かばないと思われますが、前回のaliexpless 3.28thセール時に福袋と称して在庫処分のflang v5と抱き合わせて販売していたhckの最新片側12baイヤホンの正式名称でございます。


:2019年4月14日、エージングや耳の慣れで印象が変わってきた部分が出てきたので追記

◎見た目、ビルドクオリティ

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付属品、箱外装などは普段のhckイヤホンと同じなので端折ります。

見た目は前宣伝同様qdc anole vxをパクったもといオマージュしたフェイスプレート。
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非常に細く、そしてキラキラとしたファイバー状のものをフェイスプレート部分だけに敷き詰めその上からコーティングを施しているようです。そしてボディはanole vxとは違いシンプルかつ透明度の高いクリアボディです。

ビルドクオリティに関しては特に文句の言いようがないほど綺麗です。

クリアシェルと言うと一番シンプルな仕上げでありながら最も難しい仕上げだと自分は考えます。
なぜなら粗がすぐわかるからです。でもこのsp12はクリアシェルながらどこから見ても曇りひとつなく中のドライバ、ネットワーク回路、音導管まで良く見えマニア心をくすぶられるほどに美しい仕上がりとなっています。
hckという大手中華イヤホンセラーらしい安心感を感じます。

何か強いて言うとしたらフラット2pinなので強度面が不安といった感じでしょうか。

◎多ドラらしさがしっかり感じられる全体的に明瞭感のあるサウンド

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箱だしすぐから数時間の間でのサウンドレビューとなります。今後エージングなどで変化があればその都度更新していきたいと思っています。  

2019年4月14日、耳の慣れかエージングによってなのか、明瞭感はそのままにウォーム感が増してきました。もとより寒色系ではなかったのですが、ウォーム感が増したことによって、より中域が艶やかにリッチな印象を受けるようになりました。

まず一聴して“中華” “低価格帯” “多ドラ”のネガティブな部分は自分の中から吹き飛んでしまいました。

情報量の多い音、分離感が高いサウンドがドッと流れてくるといった感じですね。多ドラのメリットがしっかり発揮されていて好印象です。

そして中華多ドラながら非常に明瞭感のあるサウンド、特に高音は刺さりを感じてしまうことがあるくらいです。この価格帯の中華多ドラは高音が籠っていたり最悪の場合、全体を通して濃い音を履き違えたようなモコモコした音しか鳴らせないイヤホンもある中この価格帯の中華多ドラでこの明瞭感は非常に完成度が高いと思われます。

dap単体(私は一緒について来たflang v5)でも明瞭感は変わらず籠り、曇りなどは感じられませんでしたので特別アンプが無いとモコモコしたり、鳴らなかったりするイヤホンでは無いようです。

スペック的にも、インピーダンスは25Ω、感度は115±3dbと一般的な数値で特に鳴りにくいイヤホンでもなく良心的に感じました。

◎フラット寄りなバランス 

mojo +b1 ltd +sp12でリスニング
先程は特別、駆動力が必要なイヤホンでは無いと前述しましたが、アンプを加えたりして上流を整えるとそれに比例してさらにいい音を鳴らしてくれます。
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音のバランス的には中域が若干強め、その次に高域、低域というバランスになっていますが、やはり多ドラなのでどちらかというとフラットな傾向に近くなっているなと感じました。カマボコ型よりのフラットかなと感じます。どの帯域を取っても必要最低限以上は出てるなと思います。どこかの帯域を犠牲にして他の帯域に特化させている感じは全く感じません。

中域に関しては滑らかさ、分厚さがあり非常に聴きやすく、かつ聞き応えのあるサウンドを比較的耳の近くで鳴らしてくれます。

高域については前述した通りシンバルなどで刺さりを感じたり、ボーカルによってはサ行が刺さる場面が多々ありますが、刺さる直前の高音はまだ膜が一枚かかったようなサウンドに思えます。なので正直、粗を感じてしまう点でもあります。
ここは聴く人を選ぶといいますか好き嫌いのハッキリ分かれる点だと思います。

最後に低域ですが、バランス的には一番下ですがbaらしい輪郭のはっきりした低音がしっかりなっています。
所謂、低音が好きな人には物足りないと思いますが、
しっかりベースラインは拾って鳴らしているくらいには再現力があります。曲中、ボーカルに隠れがちなベースラインなども意識を向ければ簡単に読み解くことができます。

個人的にはエージングで低音がもう少し主張してくれたらなぁということと、リケーブルで高域に落ち着きが生まれたらかなりいい感じだなと思います。

低音はエージングの効果か、安定して出るようになりました。



余談ですが、flang v5のベースブーストをonにしてsp12を聴くとjhのイヤホンなどに近い力強く迫力のある低音が出てくるようになりますw
flang v5のベースブーストはかなり偉大ですw
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◎分厚さ、密の詰まったリアルサウンド

自分でも他のba機を聴いててたまに感じてしまうのですが、奥行きが感じにくくどちらかというと平面的に聴こえてしまうなと言ったba型のデメリットとしてよく挙げられる点がありますが、そういったことを一切感じさせない、厚みのあるリアルなサウンドを奏でてくれます。

多baだからといってモニター感のあるサウンドでもなくリスニング向けの聴いてて楽しいサウンドに聴こえます。

アコースティックギターの細かい弦とのスクラッチやコードを搔き鳴らしたときの再現度、ピアノや弦楽器などの綺麗さはもちろん、個人的によく聴くメタル系の楽曲ではさも直接アンプの前で聴いてるかのような気持ちの良いディストーションサウンドが心を躍らせてくれました。

そしてアニソンにありがちなシンセ、エレキ、アコギ、ベース、打ち込み音源などを組み合わせた複雑なユニゾンを奏でる楽曲などももちろん聴きやすくなりますが、それだけに高音が刺さったりしてしまうのが残念にも感じます。

2019年4月14日、ウォーム感が増したことにより極端に音数多い曲だと暑苦しく窮屈に聴こえてしまうかなと感じてしまうようになりました。もちろん一般的な音数の曲、若干音数が多い曲くらいなら全然余裕で全て鳴らせています!

複数ドライバを積めば役割分担もでき、色んな音を細かく拾えるので当たり前っちゃ当たり前なのですが非常に音数が多く、こんな音がなっていたのか!や、このメロディは二つのメロディラインが重なって出来ているのか!などまだまだ音源について詳しく掘り下げることが出来るんだなとこのイヤホンのおかげで感動することが出来ました。

もちろんデメリットもあり、音源の粗をそのまま伝えてしまうという点も感じられました。もちろんflacやwavなどで取り込んだcd音源程度だと基本的に問題はないのですが、おまけトラックなどのしょぼい録音のlive音源だと非常にお粗末な音に聞こえてしまいました。ですがそのかわりにしっかりした録音のlive音源だとその場にいるかのようなリアル感を感じられます。

今の私の機材でsp12を聴くと本当にどこの楽器、どこのメロディも手に取って分析できるくらいに解像度が上がりました。
高解像度を謳っているdapやアンプなどを持っている方が使えばさらに解像度は上がると思います。


◎まとめ:優秀な中華多ドラ、高域の弱点を除けば万人受けしそう

 
現段階ではhckから単品での出品もまだですし正式な値段は発表されていませんがおそらくhckの現ラインナップを見る限り、いくら高くてもhk10やfr12などと同等くらいかそれより少し高めになると思われます。もしもnk10より安く正式に出品されたらかなり安い値段で多ドラをしっかり体験できる、かなり良いチョイスのイヤホンになるのではと思います。

自分はhk10おろかfr12は聴いたことがないのではっきとそれぞれの位置付けがわからないのですが、他の方のレビューを見る限り全体的に評価が高いnk10と似通っている点が多いなと感じます。特に多ドラながら明瞭感があるサウンドというのは全くの共通点だと思われます。ドライバ数の同じfr12はなぜか極端にレビューも少なく個人的に聞いた話だと低音が少ないという意見しか聞いたことがなくこの点ではsp12とははっきり違う点だなと思いました。

ドライバも目視する限りでははっきり(中、低域には)knowlesの刻印がされているドライバが入っており中身もしっかりこだわって作っていると感じられますので今後の価格設定が楽しみなイヤホンですね!


◎このイヤホンがオススメな方
・ひたすら高解像度を追い求める分析派の方
・音楽に没頭したい方
​ウォーム系のサウンドが好きな方
・明瞭感のあるサウンドを好む方
・多ドラを試してみたい方または多ドラが好きな方

※前回記述していた『複雑な曲を聴く方にオススメ』を消して、ウォーム系のサウンドが好きな方に変更いたしました。理由は前述の通りです。

◎評価
外観の質:★★★★★ 

低域の質:★★★★☆ 
中域の質:★★★★★ 
高域の質:★★★☆☆ 刺さりを感じるため

       音場:★★☆☆☆ 一般的な音場、窮屈さは感じない
   装着感:★★★★★ イヤピさえ合えば誰にでも合うと思う

   遮音性:★★★★★ 
   音漏れ:★★★★☆

総合評価:87点
この価格(3万後半から4万中盤)で完成度の高い多ドラらしいサウンドはかなり優秀。
明瞭感あり、どの帯域も必要十分、ウォーム感のある中域のサウンドは万人ウケしそうだがそれだけに高域の刺さり、若干の粗が気になる。



中華セラーイヤホンなので、リケーブル前提な部分はあるかもしれないので近いうちにまた試して追記したいと思っています。


◎最後に
今回は長い記事を読んでいただきありがとうございます。また機会があれば是非読んでいただけたら嬉しいです。